量子宇宙干渉機  ジェームズ・P.ホーガン・著 内田昌之・訳

量子宇宙干渉機

主人公はヒュー・ブレナー。量子コンピューター『QUIC』の開発者。『QUIC』は他の宇宙(並行宇宙)と情報を取り出すことが出来る量子コンピューター。並行宇宙にある複数のコンピュータを並列につなぐと言う形で膨大な計算、可能性の中から正解だけを選び出せると言う(?)感じのコンピューターです。

ところがこの研究が並行宇宙で起こった事柄を調べ自分の宇宙での出来事を予測し政治的に利用しようと言う目的の為政府の最高機密扱いになってしまいます。研究者は一箇所に集められ政府の要求どおり研究を進めるか研究を断念するかを求められます。

ヒューのグループは命令に背いて独自の開発を続け、任意の並行宇宙に存在する『類似体』に自分の意識を移動させることに成功。

ヒューたちは何度かの他の宇宙への『旅』の中で科学が政治的に利用されるのではなく、純粋に探究心を追求されている、おまけに自分の類似体に魅力的な彼女がいる『別天地』を発見し、そちらに完全移住(?)してしまうと言うとんでもないお話(のような気がする)。

『類似体』へ意識を転移した際には類似体の意識はその間乗っ取られたようになる訳だが何度も同じ類似体に転移した際には意識が共有されていくと言うウルトラC級の技がやや残念。

作者は現代科学が純粋な探究心よりも政治的、経済的な理由により優先順位が決定していく現状に異議を唱えたかったのか?

ホーガンお得意の「うーん、(なんとなく)成る程。」と思わされる科学テキ理論展開もなく何でそんな結末?と言う感じです。

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