造物主〈ライフメーカー〉の掟 ジェームズ・P.ホーガン著/小隅黎訳
異星人が開発したその宇宙船は惑星を調査し、資源や希少価値のある鉱石が豊富な惑星を発見すると採掘工場を建設し母星へと採掘した資源や半製品を輸送するようにプログラムされたロボット資源探索船です。
ところがこの探索船は通りかかった超新星から発せられたフレアの為コンピュータープログラムに多量のバグが発生してしまいます。
プログラムに不具合が生じてしまったのですがとりあえず任務を遂行しようとした探索船は土星の惑星タイタンに工場建設を開始し、作業用ロボットを製造しますが数々のプログラムの不具合のため各ロボットは予想外の進化を遂げます。
タイタンに異星人の文明を発見した人類は調査の為有人宇宙船を派遣し、接触を試みるが・・・・・・。
プロローグで描かれた土星最大の衛星タイタンの上で繰り広げられたロボット機械が進化し意思を得、心を獲得する何万年にもわたる過程はこの本の魅力の半分を担っています。この辺の進化していく過程での理屈がハードSF作家としての著者の腕の見せ所です。
その後の話はロボット人『タロイド』と人類『ルミアン』の友情、タロイドが形成する国家同士の争い、資源を独占しようとする政治的思惑、立場を異にする人間同士の駆け引きなどが展開されます。
話の先が気になり一気に読めますし、エンターテイメントとしては大変楽しめました。