ボディーが歩み寄る感覚
最近、ダンスを教えていて『二人で踊る』という事について深く考えなくてはいけないなぁということを改めて認識しています。
欧米人は出会った知人に対して歩み寄って握手(To shake hands)したりもっと親しければもっと相手に踏み込んでKISSをしたりHUGします。これはボディーが歩み寄る感覚だと言う気がします。『Hold』し合う感覚とも言えるかも知れません。
そんな時日本人はお辞儀です。二人でダンスを踊るときはこの『ボディーが歩み寄る感覚』がとても大事なんじゃないかと感じます。それは自分が相手に合わせるという事だけじゃなく、ボディーを歩み寄らせた結果、相手の頭の先から足の指の先まで把握しあって、必要な動作を理解しあえる感覚だと思います。
残念ながら一緒に踊っているようだけれど一緒には踊っていないカップルがほとんどで、それにさえ気が付いていない場合も多いのだと思います。みんな!二人で“一緒に”踊るんだ!
昔、私が初めてイギリスにレッスンを受けに行った頃の事です。その日は今は亡きボビー・アービン先生のレッスンでした。
レッスンが始まって、私はボビーと踊って貰ったのですがボビーは「Lonely lonely.」と言って泣きまねを始めました。それではもう一度、と踊りましたが、やはり「Lonely lonely.」と言って泣きまねをします。
その時は何でボビーは泣きまねをするのか、トンと分かりませんでしたが最近になってそのときの印象が強く蘇って来ました。今ならボビーが言いたかった事が良く分かりますし、どうすれば良いのかも分かります。
それこそが二人で踊るという意味なんだと思います。