最近のボールルームダンスの傾向・日本インターを見て再認識したこと

最近のボールルームダンスはより軽くよりスピーディーによりスポーティーにという傾向が継続しているように思います。

10年位前まではプロフェッショナルダンサー達はプロの『技』として正確なテクニック、男女の機微・ハーモニーの表現、重厚な音楽表現、優雅なフロアクラフト等に重点を置いていました。

私達がアマチュアとして競技会に参加していた頃からアマチュアのフロアでは相当なスピード感と若々しさでダンスが踊られていましたが、トップアマがターンプロすると、プロとしての表現、つまり先ほど書いたようなことを重点的に訓練するようにほとんどのダンサーがアプローチを変えていました。また、そのような踊り方でないとプロフェッショナルのフロアでは幼く見えて『浮いてしまう』ように見えてしまいました。

12年前、私達のプロフェッショナル転向後初めての競技会の時、ゆったりしたフロアの雰囲気に『こちらの方が踊りやすい』『こちらの水の方が私達に会っている』と感じたのを覚えています。

しかしその後、イタリアダンス界の台頭やクリストファー・ホーキンスの活躍で様子は変化していきました。

彼らは自分達のアマチュア時代からの武器である軽さやスピード感といったものを変えることなく持ち続け、プロフェッショナル部門でも上位進出し始めました。もちろん旧来のプロとしての『技』を軽んじているわけではないと思いますが、異なるアプローチで競い合い始めたのです。

彼らの活躍を見て他のダンサー達も当然追随します。それまではプロに転向するとアプローチを変化させていたトップのアマチュア選手達もそれまで通りのダンスで踊り続けるようになったと思います。

近い将来を少し予想してみると、現チャンピオンのミルコ組は更なる進化の可能性を感じさせますし、将来のプロ予備軍であるアマチュアトップ選手たちは相変わらずスポーティー・スピーディーなダンスを志向しているようです。ここ数年はこの傾向は変わらないと思います。

それらの変化が将来のダンス界に良いものなのかは分かりません。ダンス本来の男女の情感の表現の魅力が失われているという方もいます。しかし比較対象が旨であるこの競技ダンスにおいて世界のトップダンサーたちの踊り方の傾向を全く無視するわけにはいかないと思っています。

もちろん流行は変化していくかもしれませんが、そのような踊り方に耐える肉体を得る為には筋力トレーニング等も必要に応じて取り入れなければならないかもしれないとも思います。

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