国家の品格
国家の品格
読みました。最近のベストセラーの中の一冊です。題名が堅苦しいですが、内容はそれ程ではありません。かる~い感じで読みきることが出来ます。
冒頭で筆者自身が『一番身近で見ている女房に言わせると、私の話の半分は誤りと勘違い、残りの半分は誇張と大風呂敷とのことです。私はまったくそうは思いませんが、』と断っています。確かに奥様の言われることにも一理有る気がします。
この本の中で著者が最も訴えたいことは国際人とは英語を操れる人のことではなく、その道徳観に対して尊敬を集められる人のことだから英語やコンピューターなどの便利な道具の使い方を覚える前に、日本古来の形や情緒を学んだり教えろと。個人がそのように振舞うことが出来れば国家としても品格が上がり尊敬を集めることが出来ると言うことだと思います。
尊敬を集めたいという下心を持てと言うわけでは全くないでしょうけれど。
頷けることも多く書かれています。
海外で暮らしていて気が付くことは『自分は日本人である』という事だと私は思います。さらに『自分は日本についての知識が足りない』ということです。知識が曖昧なことは英語がもし喋れたとしても説明できません。
『ambassador』という英語があります。意味は『大使』ということです。現役時代は年のうち半年は英国に暮らし、英国人と接していました。英国人は私という個人を通して日本、日本人を見ます。果たして私は良い『ambassador』だったかと言うと100%の自信は有りませんが、それ程ひどくはなかったと思います。
たしかに英国滞在中には『君が私にとっての英国人代表で良いのかい?』と(日本語で)毒づいかずにはいられないような人もいました。彼も英語は堪能なのには間違いありません。
多少日本礼賛が過ぎる感じもしますが、海外で武者修行をするつもりの若者は一読しておいても良いのでは?と思います。