フロア・クラフト
社交ダンスの競技会の場合、一度に何組ものカップルが同時に踊り競い合います。他の組にぶつからないように避けながら、自分のダンスの実力を十分に発揮できる様に踊ることを『フロア・クラフト』と呼びます。
文字通りフロアを縫うように踊るわけです。競技会では練習のときのように誰にも邪魔されない、ということはありません。決勝まで進出すれば6組のみで踊りますが特に予選のうちは込んだフロアで踊らなくてはなりません。
若いダンサーが上位に進出しようと思ったとき、この『フロア・クラフト』技術は欠かせないと思います。誰も自分に遠慮なんかしてくれませんし、周りも必死です。
そんな中で自分達を見失わず、十分に演技するためには『フロアクラフト』の技術を身につける必要があるのです。
私が練習するときに気を付けていた事は『後、3小節踊り続ける』ということです。練習で誰かにぶつかりそうになったりフロアの端まで来てしまった時にそこで踊ることをやめてしまうのではなく、あと3小節踊り続けるようにするのです。
いつもそのように気をつけていると「こんな場面ではこんなふうに、あんな場面ではあんなふうに」と言うようにいくつかのパターンが出来てきます。普段からそのように心がけて練習していればとっさの場面で自然に対応できますし、パートナーも予測することが出来ます。
他のカップルを避けたり方向を変更するのに多くのパターンは必要ありません。得意なパターンが3パターンも有れば踊りの幅もぐっと広がってくるのではないかと思います。
常日頃から心がけることが大切だと思います。皆さんも『あと3小節踊り続ける』事を試してみてください。