基本を大切に
最近レッスンをしていてしばしば感じることは意外と多くの方が自分の姿勢やフットワークなどを『考えながら』踊っているということです。
その時にそれと同時に一緒に踊っている相手の姿勢・アクションなどを感じ取りながらその動きや二人の位置関係を調和させていくということは至難の業です。
そこで大切なことはやはり常日頃からベーシック(基本フィガー)を繰り返し練習することではないかと思います。
1.自然とフットワークが正しく踏み出せるように
2・二人のレッグアクションを正しく調和させられるように
3.二人の位置関係、距離感、バランスを見失わないように
ベーシックのようなシンプルな、しかしながら深い含蓄のあるフィガーに対する理解を深め、繰り返し練習するのです。
その一連の滑らかな動作が身につけば次には実際にバリエーションを踊る時に必要なのは『感じながら』踊ることではないでしょうか。
相手のアクションを・お互いのバランスを・お互いの位置関係を、そして音楽を『感じながら』踊るのです。
それに対してその時それらをいちいち観察し、自分の動きをいちいち『考えながら』踊っていたのでは間に合いません。なぜなら私の脳味噌はそんなに高性能ではないからです。
例えば鉛筆を手に持って揺らすと鉛筆がゆがんで曲がっているように見えます。これは目で見た情報を脳がハイスピードで処理し切れないからです。
訓練によってある程度までは『考えながら』でも踊ることは出来るとは思います。しかしそれほどまでに高性能ではない脳の判断能力を過信しては自由自在に踊ることは出来ないでしょう。
社交ダンス(ボールルームダンス・競技ダンス)の場合、完全に決まったルーティンを決まったように踊るわけにはいかない場合がほとんどです。それは同時に他のカップルも同じフロアの上で踊っていますし、フロアの広さ、音楽もその時その時で異なっているからです。
ですから基本となる姿勢・バランス・お互いの位置関係・コネクションなどを繰り返し訓練した上であとは身の回りのあらゆる状況を『感じながら』踊るということを心がけてみてはいかがでしょうか。