パンズ・ラビリンス
下高井戸シネマのレイトショーにて鑑賞。6割以上席が埋まり中々の入りにまず驚きました。
これが戦争か?これが人間か?これはお伽話か?
刺激が強すぎてじっと座って見ているのが辛い映画。
決して決して他の方にはお勧めできない傑作。
グロテスクなシーンのオンパレード。目を覆うようなシーンが多くそれが幻想の世界の中に自分の居場所を見つけて行く少女の世界と際立って対比されています。
ラストシーン、幻想の中で美しいドレスに身を包み父王、女王に再会を果たすオフェリアとメルセデスたちレジスタンスに見守られながら息を引き取る現実世界のオフェリア。オフェリアは息を引き取る直前にかすかな笑みを見せますがそんな事は全く想像だに出来ないメルセデスは悲嘆に暮れます。
ハッピーエンド。重苦しい気分のまま劇場を後にしました。
以下【ネタばれ注意】
あらすじ〔白い文字で書いてあります。見たい方は反転させてください。〕
仕立屋だった優しい父をスペイン内戦で亡くし、母の再婚相手の新しい父と共に暮らすことになった本好きの少女の名はオフェリア。新しい父は山奥に潜むレジスタンスを殲滅する為に最前線で指揮を取っている冷酷で残忍なビダル大尉。彼は母がお腹に宿している息子にしか興味はなく、母にもオフェリアにも愛情を持っていない。オフェリアは召使として働いているメルセデスが実はレジスタンスのスパイであると言うことに気付くが誰にも言わないと約束する。
ある日森で妖精に出会い、森の迷宮に導かれる。オフェリアは迷宮で迷宮の番人パンに出会い、パンに「あなたは魔法の王国のプリンセスに違いない。父王はあなたの帰りを待っている。あなたがプリンセスであることを証明し、迷宮の扉を開くには満月の夜までに3つの試練を克服しなければならない」と告げられ、一冊の本を手渡されます。その本にはこれから起こること、すべきことが描かれるのです。
ビダル大尉が残忍であることを示すエピソード、ビダル大尉率いる軍とレジスタンスの内戦の悲惨さが描かれ同時に幻想の世界でオフェリアは魔法の本とパンの指示のもと試練を克服しようとしていきます。
第一の試練は蛙に奪われた金の鍵を取り戻すこと。蛙に魔法の石を食わせ、上手く取り戻します。
第二の試練は魔法のナイフを取り戻すこと。妖精の導きと自分の感性で見事ナイフを手に入れますが禁じられていた食べ物を口にしてしまったため眠っていた化け物を起こしてしまいます。妖精は頭から化け物に飲み込まれてしまいますがオフェリアは何とか化け物から逃げおおせることが出来ました。
母は弟を出産する際に病死し、オフェリアの孤独は深まります。ビダルにスパイであることを見破られかけたメルセデスはオフェリアにビダルの宿営地から去ることを告げますがオフェリアは一緒に連れて行ってくれるように頼みます。メルセデスとオフェリアはビダルの元を離れレジスタンスの元へと向かおうとしますがそのことを予測していたビダルに捕まり連れ戻されます。
ビダルは拷問によりメルセデスからレジスタンスの情報を引き出そうとしますがメルセデスは隠し持っていたナイフでビダルを負傷させ再び脱出を試みますが危うくビダルの部下に捕まりそうになります。そこへレジスタンスの大群が現れメルセデスを救います。
ビダルはメルセデスがスパイであったことを知っていたオフェリアを幽閉します。その閉じ込められている部屋へパンが現れ、最後の試練は弟を奪い、ラビリンスへ連れて来ることだと告げます。パンに与えられた魔法のチョークで出口を作り、弟を連れ出すことに成功し、ラビリンスへ向かう。ビダルはオフェリアが息子を連れ出したことに気付き、オフェリアの後を追う。
その間にレジスタンスはビダルの本拠を襲い壊滅させます。
オフェリアは弟を連れラビリンスの入り口に到着します。パンはラビリンスの入り口を開く最後の鍵は無垢な者の血だと言い、弟を傷つけるように言いますがオフェリアはそれを拒否します。ビダルはオフェリアに追いつき、オフェリアを拳銃で打ち抜き、息子を取り戻します。
ビダルは息子を連れ森の入り口まで戻りますがすでに戦いに勝利したレジスタンスに取り囲まれます。息子をメルセデスに渡し、「いつか息子に父が死んだ時間を教えてやってくれ」と頼みますが「名前さえ教えない」と拒否されます。
メルセデスはラビリンスの入り口で息も絶え絶えなオフェリアを見つけます。オフェリアは夢の中で綺麗なドレスを着、父母に再会し、「あなたの選択は正しかった。」と告げられます。瀕死のオフェリアは微笑を残し絶命します。それを見て悲しみにくれるメルセデス。このラストシーンで映画は終わります。